《電子書籍》DAISYとEPUBで実現する読書のユニバーサルデザイン--河村宏会長が講演

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iPad(アイパッド)の音声読み上げ機能などを利用して、活字図書を利用できない全盲者もあらゆる本が読めるようにする「DAISY(デイジー)とEPUB(イーパブ)は読書のユニバーサルデザインをどう実現するのか」をテーマにした講演会が9日、東京都新宿区で開かれた。

講演会は、アクセシブル(バリアフリー)な電子出版の国際標準規格であるDAISY(デジタルアクセシブルインフォメーションシステム)の普及・啓発に取り組む日本デイジーコンソーシアムが主催した。講演会では同コンソーシアム会長の河村宏さん=写真=が、電子書籍の標準規格であるEPUBを開発したIDPF(国際電子出版フォーラム)と協力して、DAISY規格とEPUB規格のどちらでも合成音声によるテキストの読み上げや手話対応など同等のアクセシビリティーを実現できるよう改定作業を進めていることを説明した。

また、音声や映像、動画再生などマルチメディア機能を実装したマルチメディアDAISYについては、カラオケの歌詞のように読み上げ部分のハイライト表示、文字(テキスト)と背景色の反転表示、文字の拡大・縮小や読み速度の調節などができることを説明。視覚障害者は高速読み上げを好むこと、ディスレクシア(読字障害)は背景に薄い色がある方が見やすいことなどを紹介した。

さらに、「マルチメディアDAISY再生ソフトのEasyReaderはEPUB形式の電子書籍も再生可能」として、日本語対応EPUB規格が今年度リリース予定であることを明らかにした。

また、米国ではDAISY形式の障害者用電子教科書の標準フォーマットを連邦政府のNIMAS(ナイマス、National Instructional Materials Accessibility Standard)が定めており、「ケンタッキー州のナイマックセンターに2万タイトル以上のDAISYブックがアップロードされている」として、利用者はパソコンやiPad、携帯端末などで利用できることを紹介した。

次に河村さんは、サイパックが開発したiPhoneやiPod touch用のマルチメディアDAISY 2.02再生ソフト「VOD(Voice of DAISY)」を紹介、次期バージョンではiPadにも対応することを説明した。

最後に河村さんは、DAISYとEPUBの友好的な発展を強調、その理由について、IDPFの会長とDAISYコンソーシアムの事務局長を、ジョージ・カーシャという1人の全盲男性が兼ねているためとした。

なお会場では、新発売のDAISY再生機能、操作の音声ガイド搭載のOLYMPUS ICレコーダー「ボイストレックDM-4(ディーエムフォー)」が展示され、参加した多くのDAISYユーザーらが熱心に音声操作を体験していた。【岩下恭士】

◆動画:DAISYとEPUBに関するデモと講演

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